研究会概要
団体名称 | 次世代システム研究会 |
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英語表記 | Frontier of Socio-Science Studies |
代表者 | 谷川 寛樹 |
設立年月日 | 2001年4月7日 |
事務局所在地 | 〒805-8512
北九州市八幡東区平野一丁目6-1 九州国際大学 現代ビジネス学科 松井研究室 |
TEL | 093-701-7690 |
FAX | 093-701-7691 |
沿 革
2011年の3.11の大震災の後に「ストック型社会」という考え方に再び注目が集って以降、今日のコロナ禍で再再度の関心が高まっている。これは2007年9月福田政権発足時および2009年(H11年)6月に超長期優良住宅普及促進法施行時に続き4度目のブームと言えるかもしれない。「ストック型社会」とは価値あるものを造って大切に長く使う社会である。
エコエコ研究会から次世代システム研究会発足へ
ストック型社会の考え方は、経済・環境・生活・等の社会科学の境界問題を自然科学の観点から統合的な解を求めるECO-ECO(Economy as Ecology)理論のひとつの結論として得られた。この考え方に関する活動は先ず、1997年に北九州青年会議所等を中心にした市民運動・エコエコ研究会から始まった。当時の通産省や環境省等の関係機関の支援も得て、定期研究会、各種小冊子・広報ビデオ等出版、シンポジウム・教育イベント等の開催を通しての幅広い世論形成活動が展開された。
エコエコ研究会の中から、ECO-ECOの考え方の理論的検証と具現化に向けた科学技術・社会技術的専門家による理論形成の必要性の声が高まり、2000年4月に、平澤泠東京大学名誉教授(現・未来工学研究所理事長)を会長にお迎えして、大学・行政・民間企業・研究機関等の専門家を中心にした次世代システム研究会が発足した。
次世代システム研究所の設立。研究活動の全国的な展開へ
さらに次世代システム研究会での各種研究活動の過程において、将来の政策展開に向けた研究拠点の必要性が求められ、2001年4月に九州国際大学に次世代システム研究所が設立された。この研究所を拠点にして、次世代システム研究会会員および多岐にわたる団体・機関との研究活動が展開され、ストック型社会システムに関する理論の形成が進められた。
とりわけ2002年10月の研究・技術計画学会の年次大会においては、ストック型社会に関する分野を一単位のセッションとして、次世代システム研究会会員を中心に20件の理論を発表でき、学際的な観点から高い評価を得た。また霞ヶ関の関係省庁の若手官僚を中心に次世代システム研究会東京部会、あるいは関西ほかの地域、企業や民間団体においてストック型社会に関する団体が形成されてきた。これら多岐にわたる研究活動の展開は、その後の政策形成に寄与したものと思われる。
超長期優良住宅普及促進法立法・北九州市「環境モデル都市」選定への寄与
九州国際大学の次世代システム研究所は2007年9月に閉鎖され、現在はWeb上で展開しているが、次世代システム研究会の事務局は引き続き九州国際大学に拠点を置いている。
奇しくも2007年9月にストック型社会への転換を政策の一つに挙げた福田内閣が発足した。その政策の一環として200年住宅構想の立法が検討され、その検討委員(社会資本整備審議会/国交省)として当会副会長が参画し冒頭の超長期優良住宅普及促進法の立法に寄与した。また当時の洞爺湖サミットにあわせた「環境モデル都市」構想の形成においてストック型社会の理念を反映させるために内閣官房の委員として当会副会長が参画した。応募した多数の自治体の中から、「ストック型社会を目指す」を基本理念にした北九州市は選定された。次世代システム研究会は、北九州市の「環境モデル都市」構想の具現化に向け鋭意、協力してきた。
「ストック型社会への転換」未来への継続
その後も国内外の多岐にわたる分野において出版、論文・研究報告、講演活動、まちづくり・地域づくり活動の支援、等々を展開している。とりわけ宮城県土木部とは震災前から大規模災害後の復旧やストック型社会を共同研究してきたこと、震災後に多数の会員が震災復興や福島復興に向けた支援活動を展開している。
「ストック型社会」という考え方は、世界人口が77億人を超え2050年にはほぼ100億人に達すると予測される中で、少子高齢化・人口減少が急速に進む我国において、近未来の経済・環境・資源・生活・安全保障・等々の課題を統合的に解決する政策である。我国をとりまく今日の課題への対応という意味だけでなく、次世代の人々の夢や希望や可能性を保証するために「ストック型社会への転換」を目指したこの活動を、世代を超えて継続していきたい。
また今日のコロナウイルス・パンデミックを始め、地球環境問題や大規模自然災害、様々な巨大リスクへの対応のためにも、この考え方は不可欠である。
この数年に、内閣府地方創生本部はじめ各種大学・研究機関・自治体・市民団体・等々との協業で、開発のメドがついた「地域づくりシミュレータ(HOME動画参照)」の導入は、この普及に大きな役割を果たすと思われる。